EU4の内政として、国に影響力をもつ階級の土地や特権を管理し、バフを得る(管理に失敗すればデバフを受けてしまう)という要素があります。後述の領地の接収を行うため、階級の設定はゲーム開始直後に行うのが理想的です。本項ではその階級について解説します。
階級の管理の仕方
階級の内政は国旗(紋章)ボタンから開ける画面の1番右の階級タブから行うことができます。
ここに表示されているのが国に存在する階級です。多くの国では名称は違う場合があるものの聖職者系階級、貴族系階級、市民系階級の3つが存在していることがほとんどで、これに宗教や国固有の階級が追加されることがあります。また、革命国家等階級が利用できない政治形態も一部存在します。
忠誠度と影響力
各階級には忠誠度と影響力という値があります。忠誠度はハートマーク横の数字、影響力は忠誠度の右にある数字です。
忠誠度はその値によって0~29、30~59、60~100の3段階に分けることができます。0~30の場合はデバフを与え、30~59の場合はバフ、60~100の場合は追加でさらにバフを国に付与します。バフとデバフの効果の強さはその階級の影響力が高いほど強力になり、低いほど影響は小さくなります。
この忠誠度の値はイベント等で変化することもありますが、時間経過で忠誠度均衡値という値に近づいていきます。忠誠度均衡値の値はその階級が支配している土地の割合や与えている特権、その他諸々の値で増減します。現在の忠誠度均衡値とその値に影響を与える要素は忠誠度をマウスオーバーすることで確認ができます。
影響力はその階級がどれだけ土地をもっているか、影響力があがる特権をどれだけ持っているか等様々な値で増減します。こちらもマウスオーバーで影響力がどのような要因で増減しているか確認可能です。また、前述の通り、影響力は忠誠度に基づく補正の強さに影響を与えますが、その強さは影響力の値が0~19、20~39、40~59、60~100の4段階で変動します。注意点として階級の影響力が100%になるとバッドイベントが起きますので(忠誠度が高いと回避可能?未検証です)注意しましょう。
忠誠度0~29 | 忠誠度30~59 | 忠誠度60~100 | |
聖職者系 | 国家不穏度 +0.5 +1 +1.5 +2 国家税補正 -2.5% -5% -7.5% -10% 安定度コスト補正 +2.5% +5% +7.5% +10% 以下宗教や政治形態により追加 年間教皇への影響力 -0.25 -0.5 -0.75 -1 年間信仰 -0.12 -0.25 -0.38 -0.5 教会権力 -6.2% -12.5% -18.7% -25% 月間情熱 -0.25 -0.5 -0.75 -1 | 国家税補正+5% +10% +15% +20% | 国家税補正 +5% +10% +15% +20% 安定度コスト補正 -2.5% -5% -7.5% -10% 以下宗教や政治形態により追加 年間教皇への影響力 +0.25 +0.5 +0.75 +1 年間信仰 +0.12 +0.25 +0.38 +0.5 教会権力 +2.5% +5% +7.5% +10% 月間情熱 +0.25 +0.5 +0.75 +1 |
貴族系 | 国家不穏度 +0.5 +1 +1.5 +2 人的資源の回復速度 -2.5% -5% -7.5% -10% 陸軍維持費補正 +2.5% +5% +7.5% +10% | 人的資源の回復速度 +5% +10% 15% +20% | 人的資源の回復速度 +5% +10% +15% +20% 陸軍維持費補正 -2.5% -5% -7.5% -10% |
市民系 | 国家不穏度 +0.5 +1 +1.5 +2 交易効率 -2.5% -5% -7.5% -10% 開発コスト +2.5% +5% +7.5% +10% | 交易効率 +5% +10% +15% +20% | 交易効率 +5% +10% +15% +20% 開発コスト -2.5% -5% -7.5% -10% |
土地管理について
画面左上のグラフは国の土地をどの階級がどれだけ持っているかを表しています。国の土地は実はすべて統治者が支配しているのではなく、各階級がそれぞれ土地を所有しています。そしてその中で統治者が直接支配している土地を直轄地と呼びます。全土地に対する直轄地の土地の割合が大きいほど下記の表の通りバフがはいり、直轄地の割合が30%未満になるとデバフがはいります。直轄地は後述の「領地の接収」を行うか、州の開発を行うこと(後の講座で解説)で増えます。一方で「称号の売却」を行ったり、特権で直轄地を与える特権を階級に与えることで減少します。また、征服や外交併合で国の土地が増えた場合も直轄地の割合が上下することがあります。
直轄地の割合 | 国家税補正 | 月間自治率変動 | 最大絶対主義 | 従属国の開発度からの独立欲求 | 政府改革進捗度の増加 | 年間絶対主義 |
0% | -20% | +0.4 | -50 | +150% | – | – |
1~4% | -20% | +0.3 | -40 | +100% | – | – |
5~9% | -15% | +0.2 | -30 | +100% | – | – |
10~19% | -15% | +0.1 | -15 | +50% | – | – |
20~29% | -10% | – | -10 | +25% | – | – |
30~49% | – | – | – | – | – | – |
50~59% | – | – | +5 | – | +20% | – |
60~69% | – | – | +10 | – | +40% | – |
70~79% | – | -0.01 | +15 | – | +60% | +1 |
80~89% | – | -0.02 | +15 | – | +70% | +1 |
90~99% | – | -0.025 | +15 | – | +80% | +1 |
100% | – | -0.05 | +15 | – | +100% | +1 |
領地の接収
領地の接収は戦争中ではなく、反乱が起こっておらず、反乱軍が支配(占領)する州が1州もない場合に実行できるコマンドで、実行すると即座に各階級の支配する土地の割合を減少させ、直轄地の割合を5%増やすことが可能です。しかし、代償に各階級の忠誠度が20%減少します。この時、階級の忠誠度が30%を下回ると反乱軍が発生するので、全階級の忠誠度が50%以上の際に行うことがセオリーです。ゲーム開始直後は各階級の忠誠度が50%なのでゲーム開始直後、時間を動かす前に領地の接収を行うことは有効な戦略です。領地の接収を行うと5年のクールタイムに入ります。また、その階級が領地の接収の影響を受けなくさせることができる特権も存在します。加えて一部政府改革(後の講座で解説予定)では、特定の階級が領地の接収時に反乱を起こせなくすることもできます。
称号の売却
称号の売却は直轄地の10%を階級に売却するコマンドです。称号の売却は反乱が起こっておらず、反乱軍が支配(占領)する州が1州もなく、直轄地の割合が10%以上ある場合に実行でき、実行すると5年のクールタイムに入ります。称号の売却を行うと全階級の忠誠度が10%上昇し、各階級の支配している土地の割合に比例して土地が各階級に分配されます。加えて土地の売却量(直轄地の割合が高いほど多い)に応じてダカット(お金)が手に入ります。
特権
各階級の金色の枠をクリックすることで、各階級に与えることができる特権一覧が表示されます。特権は階級に与えることで国に様々なバフを付与することができるというものですが、各階級の忠誠度均衡値、影響力、直轄地の割合、最大絶対主義(後の講座で解説予定)の値に影響を与える為、それらの値を調整しながら付与する必要があります。特権は各階級最大6つ付与することが可能ですが、この最大数を増やすアイデア(後の講座で解説)等もあります。また、一度与えた特権を削除することもできますが、特権を削除するにはその階級の忠誠度が影響力を上回っている必要があり、特権削除時に忠誠度が-20%されます。一部特権は忠誠度>影響力の条件の他に削除するための条件が設定されているものもあります。特に一部国家の階級にゲーム開始時から既に付与されている特権は特殊条件を持つことが多いです。
注目特権
注目すべき特権として各君主力(後の講座で詳しく解説)の獲得量を増加させる特権があげられます。リソースとして貴重な3種の君主力の月間獲得量を1増加させる特権がそれぞれ聖職者、貴族、市民といった基本の3種の階級に存在しています。しかし、忠誠度均衡値を5%減少させる上、直轄地を10%も減少させるので、ゲーム開始時に直轄地が少ない場合のデバフ回避と同時に3種の特権を設定することは不可能です。セオリーは領地の接収を複数行ったあと等直轄地が増えてから設定することですが、統治者の能力が低い場合等に直轄地のデバフを受けながらも開幕から設定する戦略もあります。
特権名 | 階級 | 忠誠度均衡値 | 影響力 | 直轄地 | 最大絶対主義 | 効果 | |
宗教国家 | 聖職者 | -5% | 0% | -10% | -5 | 月間統治力+1 | |
貴族の優位性 | 貴族 | -5% | 0% | -10% | -5 | 月間軍事力+1 | |
商業地 | 市民 | -5% | 0% | -10% | -5 | 月間外交力+1 |
他に強力な特権として「強力な公爵領」が挙げられます。強力な公爵領は従属国が2国以上(植民地国家は除く)存在する時に貴族階級に付与できる特権で、外交関係+2の効果が強力です。外交関係については、外交についての項で詳しく説明しますが、他国と同盟や従属国の関係を築く際の上限値のことで、外交関係の上限値を超過すると月間獲得外交力が超過分×1減少する仕組みなので、強力な公爵領は実質月間獲得外交力+2の効果であるといえます。単純に戦争の際の味方を2国増やせるという意味でも強力です。属国を2国以上持った場合はぜひ設定してみましょう。なお特権を付与した状態でも属国が1国もいなくなると削除されてしまう仕様な点は注意が必要です。
特権名 | 階級 | 忠誠度均衡値 | 影響力 | 直轄地 | 最大絶対主義 | 要件 | 効果 | |
強力な公爵領 | 貴族 | +5% | +10% | 0% | -10 | 2国以上の従属国(属国、辺境伯、衛星国、同君連合、アパナージュ)を持つ | 外交関係+2、従属国の独立欲求-10% |
議会
5年に1度各階級が議題を提示する議会を招集することができます。このコマンドを実行すると全階級の忠誠度が5%上昇し、影響力も20年間5上昇します。このコマンドを実行すると各階級から達成してほしい議題が提案されるイベントがポップアップし、プレイヤーはどれか1つを選ぶ必要があります。議題は開発度(後の講座で解説)の増加や、特定建造物の建設といった内政系のものから特定国との関係改善や特定地域の征服等外交関係のものまで様々です。期限があるのでそれまでに達成できそうなものを選択しましょう。達成するとその階級の忠誠度上昇+αの報酬がもらえますが、達成できないと20年間その階級の忠誠度均衡値が-5%されます。
階級の基本戦略
・直轄地が多いほどバフが増え、直轄地を渡す特権も付与しやすくなるため、「領地の接収」をできるだけ行い、直轄地を増やすことが重要です。
・前述の通り、ゲーム開始時は各階級の忠誠度が50%丁度のため、ゲーム開始時に「領地の接収」を行うことは有効な戦略です。少しでも時間を動かすと、忠誠度が忠誠度均衡値に向かって動いてしまう可能性があるため、ゲームの時間を進める前に行うことが重要です。
・「領地の接収」を行うと各階級の忠誠度が-20%されますが、この際に忠誠度が30%を下回ると反乱軍が発生します。そのため、領地の接収のクールタイムの5年間は各階級の忠誠度が50%以上になるように努めましょう。忠誠度を50%以上にするには忠誠度均衡値を50%以上にすることが有効です。特権を付与する際に忠誠度均衡値を意識して設定してみましょう。
・「議会の召集」を実行すると各階級の忠誠度が5%上昇するため、忠誠度均衡値を45%程に設定し、「領地の接収」前に「議会の召集」を行うというサイクルも有効です。
・「議会の召集」で提示される議題は簡単に達成できるものから強国の領土征服等達成が難しいものまでランダムで提示されます。そのため、プレイスタイルが許すのであればセーブ&ロードで簡単な議題がでるまでリセマラするのも手です。
・直轄地が増えてきたら前述の君主力特権等直轄地を消費する特権もつけていきましょう。直轄地は30%未満でデバフなのでできるだけ避けるようにしましょう。特に序盤は国家税の収入は重要なためデバフを避けたいところです。
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