クルセイダーキングス3初心者講座第15回は宗教と信仰についてです。
1. 宗教がゲームに与える影響(なぜ重要?)
Crusader Kings III(CK3)では、宗教は単なる背景設定ではありません。
実際には、以下のような実用的な要素に影響します:
- 支配下の土地が異教徒だと領民の評価が下がり、派閥形成の可能性がある
- 戦争において「異教徒だから攻める」(聖戦)が正当化される
- 信仰点というリソースを使って改宗・信仰創設・聖戦などが可能
- 宗教指導者の存在により、称号の剥奪や結婚・離婚の可否が変わる
- 政治・外交・内政・人物評価にまで影響が波及する
つまり、宗教はCK3の政治・外交・戦争における重要な要素なのです。
2. 宗教の階層構造を理解する(グループ → 宗教 → 宗派)
CK3では、宗教は3階層のツリー構造になっています。
階層 | 名称 | 例 |
---|---|---|
宗教グループ | 文化圏・文明別の大分類 | アブラハム宗教、東方宗教、自然宗教の3つ |
宗教 | 特定の信仰の系統 | キリスト教、イスラム教、仏教など |
宗派(Faith) | 信仰ごとの具体的ルールや組織 | カトリック、正教会、アシュアリー学派、チベット仏教など |
例えば:
- アブラハム系 → キリスト教 → カトリック
- アブラハム系 → イスラム教 → アシュアリー学派
このように、上位のグループが違う宗教同士は、原則として大きな敵対的な関係となり、人物評価のペナルティなどを受けやすくなります。逆に同じ宗教同士はまだマシな評価ペナルティになりやすいです。
3. 他宗教との関係(迷信・敵対・邪悪)
宗教ごとに、他の宗教や宗派への印象が設定されています。
印象の段階 | 相手主教への評価 | 影響 |
---|---|---|
正当 | 正当であると認める | 婚姻可。評価ペナルティなし |
迷信 | 重要でない部分で違いがある | 婚姻可。通常-10の評価ペナルティ |
敵対的 | 大きく違う | 婚姻可。通常-20の評価ペナルティ。聖戦が可能な場合が多い |
邪悪 | 完全な異端 | 婚姻はほとんど不可。通常-30のペナルティ。聖戦が可能な場合が多い |
→ この印象によって、外交や戦争の展開が大きく左右されます。
4. 信仰の構成要素(教義・信条・美徳・罪・宗教指導者)
各宗派は、内部にさまざまな構成要素を持っています。
教義
教義とはその宗派の信者の振る舞いを定めた宗教的な法律のことです。
- 性別の地位規定(男性優位・男女同権など。継承法や称号授与、評議会に任命できるか等に影響)
- 他宗教への態度(神義、多元主義、原理主義など。評価ペナルティの度合い、改宗速度、他宗教からの称号剥奪が暴政に影響するか等に影響)
- 寺院所領の扱い(領国祭祀に貸与される神権制、世俗的な所有を可能にする在家信者等)
- 宗教指導者の扱い(存在するかしないか、世俗的(自分もなれる)か宗教的か)
- 巡礼の扱い(奨励やイスラム教のような義務化(ハッジ)など)
- 婚姻に関して(単婚・複婚、私生児や離婚の扱い、血族関連の婚姻許可)
- 様々な罪の規定(同姓愛、姦通者、親族殺し、魔術等の扱い)
- 聖職者に関する規定(聖職者が世俗的か宗教的か、任命できるかできないかなど)
→ 政治や相続に直接関わる最重要要素です。
信条
信条とはその宗派独自の慣習や儀礼を示しています。
- 信仰の「特徴づけ」となる3つの特徴です。
- 例:カトリック
武装した巡礼(聖戦コスト減、大聖戦(十字軍など)可能)/聖体の交わり(贖宥状関連の行動アンロック、破門、正直を美徳、嘘つきを罪に/修道生活(修道僧、節制が美徳、大食が罪に)
→ ゲームプレイの方向性が変わる可能性があります。
美徳と罪
- 特定の特性が「美徳」か「罪」かで評価が変化
- 例:カトリックでは「貞節」が美徳、「好色」が罪
→ 人物評価やイベント等に影響します。なお人物評価は宗派が違う人物同士でも影響します。
宗教指導者
- カトリックの教皇、イスラム教のカリフなど。婚姻の許可・称号剥奪・布教・信仰創設等に関与
- プレイヤーが支配できるかどうかも重要(宗教的な教皇vs世俗的なカリフ)
5. 宗教のステータス:情熱・組織化
CK3では、各宗派ごとに「情熱」「組織化されているか」といったステータスが存在し、これが布教のしやすさやプレイヤーの改宗や新たな宗派の作成に影響します。
情熱
- 信仰の「熱量」や「活発度」を表す数値(0〜100)
- 高いほど:高い宗派への伯爵領の改宗が早まる
- 低いと:異端が発生しやすく、別の宗派への改宗がはやくなったり、プレイヤーの改宗や宗派創設の信仰点コストが下がる
→ 聖戦や大聖戦を起こすと情熱が下がりやすくなり、逆に標的にされると情熱が上がりやすくなります。また小規模な宗派ほど情熱が上がりやすく、大規模な宗派ほど情熱は低くなりがちです。
組織化
宗派には組織化されているかされていないかの概念があります。未改革の宗教は特に部族政体において征服の開戦事由をもたらすなど、メリットもありますが、同時に未改革の宗教を信仰していると、部族制以外の政体に変更することができないという制約があります。
6. 聖地と信仰点の使い道
聖地
各宗派には聖地となる男爵量が存在し、それをその宗教が支配していると信徒全員がボーナスを得られます。
信仰点の使い道
信仰点は宗教に関わる行動に使う「宗教系リソース」です。
主な使用用途:
- プレイヤーの改宗
- 信仰改革・宗派創設
- 聖戦・ジハードなどの戦争宣言
- 結婚や称号剥奪に宗教指導者の承認を得るとき
7. 改宗と宗派の創設(プレイヤーの能動的行動)
自分自身の改宗
- 宗教画面→他の宗派→宗派を選んで下の「改宗する」ボタン
- 大量の信仰点が必要
- 封臣も同時に改宗する可能性があります
伯爵領の改宗(布教)
- 領国祭祀(宮廷司祭)の任務で伯爵領の宗派を改宗可能
- 情熱等により時間は変動するが非常に長い時間が必要(請求権の捏造と競合することから拡張プレイとの両立が難しい)
宗派の創設
- 大量の信仰点を支払い、新しい宗派を自分で作成可能
- 教義・信条・美徳・罪をカスタマイズ
- 通常の宗派とは独立した存在となる(異端扱いを受けることも)
異端の誕生
- 情熱が低い状態が続くと、異端発生イベントが発生
- プレイヤーも異端を選択することが可能
8. プレイヤーが気をつけるべき宗教のポイント(まとめ)
注意点 | 理由 |
---|---|
支配する伯爵領とプレイヤー人物の宗教が一致しているか? | 不一致だと派閥の原因になる |
信仰点の使い道に優先順位をつける | 無駄遣いすると宗派創設・聖戦が難しくなる |
外交相手の宗派は? | 敵意的な宗教だと婚姻や同盟が不可になる |
情熱が高すぎると異端化できない | 信仰改革のチャンスは情熱が低いとき |
宗教はCK3において、支配・戦争・外交・相続の全てに関わる基盤です。
まずは:
- 自分と家臣の宗教が合っているか
- 支配地の宗教に不満が出ていないか
- 布教に時間がかかっていないか
このあたりをチェックするだけで、安定感のある統治が可能になります。
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