Crusader Kings 3 DLC Roads to Powerの追加要素「官僚制」について紹介します。
官僚制
・官僚制はビザンツ帝国をモデルに作られた新たな政体で、人物(封臣)を総督として任命し、主君の代わりに属州と呼ばれる土地を管理・統治させる政体です。
・官僚制では封臣(総督)は互いに戦争ができません。勢力内で力を得る主な方法は策略を使って総督や皇帝の地位を得ることで、従来の戦争ではなく、策略や政治に関するプレイスタイルとなります。加えて官僚制で総督は独立・解体派閥を作ったり、それに加入したりできないため、官僚制は広大な帝国を治める政体として優れています。しかし請求者の派閥は発生しますし、皇帝の継承についても世襲ではなくスコアの高いものが継承する特殊な形であることに注意が必要です。
一門
・一門とは官僚制に参加するそれぞれの一族のことを指します。この一門が政治的競争の参加者です。一門の長は荘園を管理し、一族の権力を高めるために総督職のイスを巡って政治的駆け引きを行います。
・官僚制では土地を持たない一門も、一門称号(○○一門という土地と紐づけられていない公爵領級の称号)を所持し、荘園を所持して各総督職の政争に参加できます。
有力一門/支配的な一門
・一門がその勢力の中で影響力のある一門(一族)になると「有力一門」になることができます。有力一門になるには「格付け」を上げて勢力のトップ5(+最低格付け40)にはいる必要があります。格付けは一門の合計人数や総督職についている一門の数を増やしたり、家長の影響レベル(影響力を一定数獲得すると上がるレベル)を上げたり、該当する荘園の建物を建てたり、主君の評議会にはいる等で獲得することができます。
有力一門になると策略「廃位」「総督領の吸収」が使用可能になり、政略の成功率が上がります。
・勢力の領土の25%以上の総督職を支配する有力一門は「支配的な一門」とされ、政略の成功率がさらに上昇します。
一門の恩恵
・有力一門になると「一門の恩恵」というバフが一門全員と主君に入ります。支配的な一門になると主君へのバフは削除されます。AIは「一門の恩恵」を変更しませんが、プレイヤーは変更することができます。
一門の恩恵 | 家のメンバーへの影響 | 主君への影響 | |
外交使節 | 影響レベルごとの外交+1 | ・外交+1 ・無効化された外交ペナルティ+2 | |
軍事教育の学生 | 影響レベルごとの軍事+1 | ・軍事+1 ・無効化された軍事ペナルティ+2 | |
管理教育の学生 | 影響レベルごとの管理+1 | ・管理+1 ・無効化された管理ペナルティ+2 | |
策略教育の学生 | 影響レベルごとの策略+1 | ・策略+1 ・無効化された策略ペナルティ+2 | |
博識な哲学者 | 影響レベルごとの学識+1 | ・学識+1 ・無効化された学識ペナルティ+2 | |
政治的干渉者 | 影響力+0.10/月 | 月間影響力+5% | |
税務査定官 | 所領の税金+8% | 官僚制封臣の税金貢献+4% | |
軍司令官 | ・優位性+5 ・常備軍の攻撃力+10% | 軍勢の攻撃力+5% | |
兵站の責任者 | ・称号の常備軍連隊の規模+1 ・称号の常備軍連隊の最大量+1 | 常備軍募集コスト-10% | |
戦術的包囲者 | ・常備軍攻城兵器の効果+15% ・攻城兵器維持費-20% | ・軍勢の攻城兵器効果+5% ・攻城兵器募集コスト-15% | |
自信に満ちた策略家 | ・敵対的計画の進行+2% ・敵対的計画の最大成功率+10% | 最大敵対計画+1 | |
社交界のカリスマ | ・個人計画の進行+2% ・個人計画の最大成功率+10% | 最大個人計画+1 | |
尊厳なる独裁者 | ・自然な恐怖+10 ・恐怖ごとの騎士の効力+0.5% | ・恐怖ごとの月間威信+0.1% ・恐怖の減衰-20% | |
高尚な建築家 | ・建造物の建設時間-10% ・建造物の建設コスト-10% ・本拠地の建物建築コスト-10% | 所領の建築コスト-10% |
影響力
・プレイヤーの新たなリソースとして影響力が登場します。官僚制の勢力での文字通り影響力を表すリソースでこれを使って政争をしたり、様々な要求を通したりできます。名声レベルのように累積獲得値でレベルアップする影響レベルも存在し、政略に影響します。
影響力の獲得
特性「総督」
・総督になると特性「総督」が獲得できます。(ここではビザンツでの名称軍管区長官)総督としてのスキルを示し、毎月の影響力をレベルによってもたらします。(1~3で+1、4で+2)
主君の評議会
主君の評議会に入ると月間の獲得影響力が増えます。
総督の政務
・総督の政務をこなすことでも影響力を得られます。特性「総督」の経験値ももらえるので一石二鳥です。総督の政務については後述します。
同盟
・勢力内の他の貴族と同盟することで毎月の影響力が増えます。この増加は重複するため、同盟を結べば結ぶほど毎月の影響力獲得量が増加します。
荘園のアップグレード
・荘園にもアップグレードで獲得影響力が増えるものがあります。
所領のアップグレード
・所領にも獲得影響力を増やす建造物が一部あります。
影響力の使用
・総督の後継者候補に投資することで自分と一門の構成員に総督職を確保することに主に使用します。(詳しくは後述)
評議員職の要求
官僚制の封臣は影響力を消費して評議員職を要求できます。
派閥への加入強制
・影響力を消費して他の封臣を強制的に自分の派閥に参加させることができます。
同盟の提案
影響力を消費して同盟の受け入れ値を高めることができます。(要パーク)
主君への請願
影響力を消費して主君への請願を行うことができます。
荘園
・官僚制の勢力では、家長が荘園を利用できます。さまざまな建物やアップグレードを利用でき、ボーナスを得たり、新たな行動や決断をアンロックしたり。影響力を得たりすることができます。荘園は一門につきひとつのみであり、家長が所有し、管理します。
建造物・アップグレード
荘園はヴィラや宮殿等の本拠地の建物に加え6個の建造物のスロットが用意されています。そのうち2つは最初から利用でき、本拠地の建物のレベルが上がるごとにスロットが解放されていきます。一部の建物にはアップグレードに分岐があります。また本拠地の施設内には浴室や客室等アップグレードできる施設も内包されています。
総督
・官僚制では侯爵位・王位に関連する領地を持つ封臣は総督になります。キャラクターが初めて総督になると特性「総督」を得ます。これは前述の通り影響力の源となり、政務を遂行することでレベルアップします。
・官僚制の総督は基本的に1度に1つの総督職しか持てません。
・総督は成人しかなれません。
任命制
・官僚制では任命制という継承方法で継承が行われます。任命制は一番スコアの高いキャラクターが称号を継承するというものです。総督職の継承はこの任命制で行われます。
・皇帝においても歓呼による継承というスコアの高いキャラクターが継承する継承方法がとられます。任命制との違いは子供も対象になるということです。
・プレイヤー、他の総督、土地を持たない貴族、主君は影響力を投資して候補者のスコアを増やすことができます。
・投資には上限があり、この値は主に家の格付けに比例します。上限に達しても候補者がまだ継承順位1位でない場合、他の総督や一門の家長に支持するよう説得しなければなりません。
・この投資をして自分や自分の一門のスコアを候補者の中で1位とし、総督を継承し、一門の地位を高めることが官僚制で自分の一門の立場をあげる基本になります。
・策略「中傷」を使って競争相手の評判を落とすこともできます。
・通常1つの総督職しか持てませんが、有力一門以上が使える「総督領の吸収」の策略を成功させると隣接する総督領の土地と称号を手に入れることができます。しかし、それぞれの称号は独自の継承候補者を持ち、継承時には異なる人物が継承します。
政務能力
総督は政務能力を持ち、これは総督としての手腕を示します。-50~+50の値をとり、総督が保有する土地の補正として、徴募兵や税をどれだけ得られるかに直接関係します。政務能力が-25%なら得られる徴募兵や税も-25%されます。政務能力に関連する主な要素は以下です。
- 総督の全体的なスキル
- 特性「総督」のランク
- ランク4・5の教育
- 荘園のアップグレード
- 総督職の軍管区の行政
- 宦官ボーナス
- 政務の指南(政務能力を高める策略)
総督の政務
・特性「総督」は政務を遂行することで特性経験値を得られます。具体的には主にマップ上に対処すべき問題として表示される政務を成功させることで上昇します。政務は他にゴールドや影響力等の報酬ももらえます。政務には難易度が3段階あり難易度が高いほど報酬も大きくなりますが、政務に失敗するとペナルティがあります。政務が領地の首都でない場所で起きた場合は旅をする必要があります。また、特性「総督」のレベルが高いと政務を解決するための選択肢が増加します。
軍管区の行政
・それぞれの官僚制の領国の総督府には何らかの行政タイプが設定されています。6種類あり、税の増加、新たな開戦事由、主君の正統性の増加などのボーナスもたらします。これは5年ごと君主は無償で変更でき、総督は影響力を消費して変更を要請できます。
行政タイプ | 主君への税金 | 主君への徴募兵 | 封臣への効果 | 主君への効果 | 要件 | |
バランス | 変化なし | 変化なし | 総督特性の経験値取得料+20% | |||
民間 | +5% | -7.5% | ・称号の常備軍連隊の規模-2 ・称号の常備軍連隊の最大量-2 ・建造物の建設時間-10% ・建造物の建設コスト-10% ・開発度の成長+20% ・政務能力が管理1につき+0.5% ・建設した建造物1につき影響力+20 | |||
軍事 | -7.5% | +7.5% | ・常備兵維持費-20% ・称号の常備軍連隊の最大量+2 ・常備軍の攻撃力+10% ・開発度の成長-25% ・支配成長係数+10% ・政務能力が軍事1につき+0.5% | |||
辺境 | -4% | 変化なし | ・防衛側の優位性+8 ・敵対的領土での消耗-30% ・要塞レベル+2 ・敵対的な略奪速度+75% ・政務能力が武勇1につき+0.5% ・公爵領遠征の開戦事由をアンロック | Summon to Warの関係行動をアンロックし、主君は封臣に外国の公爵領級の称号に対する宣戦布告を許可する | 軍管区が他国と接している | |
帝国 | +1% | 変化なし | ・威信+0.5/月 ・影響力+0.25/月 ・政務能力が名声レベル1につき+4% ・有力一門の格付け+10 ・称号剥奪理由が無いと罷免されない | ・正統性レベルごとの威信+0.5/月 ・正統性の獲得+20% | 1つの軍管区のみ設定可能 | |
海軍 | -2% | 変化なし | ・乗船コスト-50% ・海軍のスピード+25% ・沿岸部での優位性+15 ・「最近下船した」からの優位性ペナルティなし ・開発度の成長+10% ・政務能力が交易港1につき+2% ・海軍公爵領遠征の開戦事由をアンロック | ・乗船コスト-10% ・海軍のスピード+10% ・Summon to Warの関係行動をアンロックし、主君は封臣に外国の公爵領級の称号に対する宣戦布告を許可する | 軍管区が沿岸部にある |
帝国軍
・官僚制では総督と皇帝が称号によって常備軍を雇用できる帝国軍システムが採用されています。称号の常備軍は(一門称号を除く)公爵以上の階級の称号に直接雇用され、他の種類の軍と同じく召集されます。この常備軍はあくまで称号に属している常備軍であり、称号が継承されれば常備軍も継承されます。
・皇帝は影響力を消費して総督の称号の常備軍を借りることができ、総督の称号の常備軍を直接指揮できます。そのため、官僚制の帝国は多くの常備軍を含んだ強力な軍をつくることができます。また、ある総督の常備軍を他の総督に割り当て、その総督が割り当てられた軍を使用できるようにすることもできます。
・軍を管理する影響力コストは防衛戦の際はコストが安くなり、攻撃戦争時に前線から遠い総督の軍を借りようとするとコストが高くなります。
・称号の常備軍は個人の常備軍と同じく駐屯させることができ、称号保持者の政務能力の影響を受け、能力値が増減します。
・官僚制の統治者は個人で持てる常備軍の連隊数が2減少します。
・徴募兵についても50%減少します。
帝国官僚制
・官僚制の勢力は通常の王権に代わって帝国官僚制を使用します。
・帝国官僚制レベルを変更できるのが最上位の主君のみです。官僚制の封臣は君主と同じレベルの帝国官僚制を運用します。官僚制でない封臣は対応する王権か部族の法を持ち、通常通りに機能します。
・レベルは10年に1回変更できます。
レベル | 効果 | 要件 |
地方分権化した領土 | ・高貴である封臣の評価+5 ・栄光を求める封臣の評価+10 ・偏屈である封臣の評価+10 ・小規模地主封臣の評価+20 ・封臣の称号は、領国外の人物には継承できません。 | |
限定的な統治を制定 | ・封臣限界+100 ・栄光を求める封臣の評価-5 ・偏屈である封臣の評価-5 ・少数派である封臣の評価-10 ・小規模地主封臣の評価-10 ・官僚制封臣税金貢献+5% ・統治者は、継承法を利用可能な分割系相続法へ変更することが可能 ・称号の剥奪が可能 ・封臣の引き抜きが可能 ・官僚制でない封臣は、主君にフックを使用しない限り、他の封臣に対して戦争を仕掛けることができない | 「民会」の革新 |
中央集権化した官僚機構を制定 | ・封臣限界+200 ・高貴である封臣の評価-5 ・栄光を求める封臣の評価-15 ・偏屈である封臣の評価-15 ・敬虔である封臣の評価-10 ・少数派である封臣の評価-20 ・小規模地主封臣の評価-20 ・官僚制封臣税金貢献+10% ・統治者は、相続法を使用可能な範囲で変更することができます ・爵位剥奪、もしくは封臣の引き抜きを拒否するすべての封臣は犯罪者とみなされます ・官僚制統治を求めるのコストが軽減 ・主君が軍勢を管理する影響力コスト-25% ・官僚制でない封臣は、主君にフックを使用しない限り、いかなる戦争も行うことができない | 「君主大権」の革新 |
絶対的な独裁を制定 | ・封臣限界+400 ・高貴である封臣の評価-15 ・栄光を求める封臣の評価-40 ・偏屈である封臣の評価-40 ・敬虔である封臣の評価-30 ・少数派である封臣の評価-50 ・小規模地主封臣の評価-40 ・官僚制封臣税金貢献+20% ・主君が軍勢を管理する影響力コスト-50% ・官僚制でない封臣は決して戦争を宣言することはできません | 「君主大権」の革新 |
国教
・官僚制の勢力では最上位の主君の教派とは別に帝国全体が信仰する教派として国教が設定されています。
・キャラクターを国教に変えることは比較的容易ですが、逆に国教から別の教派に変えることは困難です。
・国教を変更するには信仰点と影響力がそれぞれ5000という莫大なコストが必要な決断を実行する必要があります。
官僚制の受容
・封建制と氏族制の領主は決断から政府を官僚制に変更できます。ただし、帝国である必要があり、領主の名声レベルが屈指の大成者(レベル3)以上で、全ての有力な封臣の評価が50以上である必要があります。この決断には莫大なゴールドがかかりますが、ゴールドコストは勢力規模によって変動するため、官僚制への移行を考えている場合は早めに移行することをおすすめします。
・この決断を実行すると領主の慣習的領国に属し、領主と同じ宗派を信仰していてかつ有力な封臣または評価が25以上の封臣の政体が官僚制に変更されます。
・官僚制に移行しなかった封臣に関しては右クリックから「官僚制統治を求める」コマンドでゴールドと引き換えに官僚制に移行するよう求めることも可能です。
官僚制が適応される勢力
・ゲーム開始時に官僚制を採用しているのはモデルとなったビザンツ帝国のみです。ですが、ゲームルールで下記の国に関して最初から官僚制を採用するように変更することも可能です。
・エジプト
・アラビア帝国
・ガーナ
・カーブリスターン
・ペルシア
・マグリブ
・タミラカム
・カロリング朝
・プレイヤーが操作する勢力
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